不動産投資の概要を見ても、
「実際に返済後手元にいくら残るかわからない」
なんて方も多いのではないのでしょうか。
実は、年間の返済額さえわかれば簡易計算する方法があります。
今回はその指標についてお話していきます。
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手元に残る利益を簡易計算できる『イールドギャップ』
手元に残る利益を簡易計算するには、
イールドギャップ(YG)と呼ばれる指標を用います。
税引き後のCFを表すレートだと思って頂ければ問題ありません。
イールドギャップ2%というと、仮に物件価格が1億円だとすると年間の収益から経費と返済を引いて200万円儲けられる物件ということができます。
イールドギャップの計算方法
イールドギャップは以下のような式で計算します。
FCR−K%=YG(イールドギャップ)
初めて登場する言葉もあるので以下にてご紹介します。
前回のお話しした知識がベースになっているので、まだ読まれてない方はぜひご覧ください。

FCR(純収益利回り)
前回お話した、NOI(営業純利益)を物件価格で割ったものです。感覚的には『実質利回り』に近いものだと考えていただいて結構です。
K%(ローン定数)
年間の返済額÷借入額で計算ができます。
大手不動産業者も投資家ブログも嘘教えすぎ
インターネットを徘徊していると、誤った記載がゴロゴロ出てきますがこのイールドギャップは特にそう。
どういった間違い方をしているかというとこんな感じです。
誤:イールドギャップは借入金利と不動産実質利回りの差のことを指します
実質利回りの点は問題ないと思います。
同じFCRのことを指すことも多いので。
しかしながら借入金利と引いてしまっているので残念ながら誤っていると言わざるを得ません。
何が間違っているのかの詳細
銀行の借入金利は“複利”です。毎月の返済額は金利と期間によって大きく変わってくるのに、金利単体で計算してしまうと期間の概念がごっそり抜け落ちてしまい、有効な数値にならないのです。
金利1%で15年と、金利2%で30年の借入を比較した時にどちらが単月のキャッシュフローが多いかというと、もちろん後者です。
しかしながら、間違ったイールドギャップを用いた場合には前者の方が魅力的に感じてしまうかもしれません。
(今回はどちらの融資条件が良いという話ではなくて理解していないことがまずい、という話です)
だからローン定数にすることで、期間を考慮した形で計算ができるようになっている、というわけです。
実際に計算してみる
例えば以下のような例で見てみます。
価格1億円、FCR6%の物件があるとします。以下の融資を受けるとどのくらい税引き前キャシュフローが出るでしょうか。
①金利1%、期間20年、フルローン
まず、年間の返済額は5,518,728円より、K%=5.51%です。
(∵K%:年間の返済額÷借入額、5,518,728÷100,000,000≒5.51)
次に、FCRーK%=YGなのでそれぞれを代入して
6%ー5.51%=0.49%
これを物件価格にかけると、年間490,000のキャッシュフローが出る計算になります。
②金利2%、期間35年、フルローン
今回の年間の返済額は3,975,144円より、K%=3.975%です。
(∵K%:年間の返済額÷借入額、3,975,144÷100,000,000≒3.975)
次に、FCRーK%=YGなのでそれぞれを代入して
6%ー3.97%=2.03%
これを物件価格にかけると、年間2,030,000円の税引き前キャッシュフローが出る計算になります。
もちろん、投資の目的は人それぞれなので、
「長期期間融資を組みなさい」という話ではありません。
誤った情報に振り回されない本当の知識をお伝えしていきたく投稿致しました。
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