スルガ銀行を利用した失敗事例~Aさんの場合~

前回は加熱したスルガ銀行ブームの解説を行いました。

«前回記事»

スルガ銀行ブームのおさらいをしてみた

今日は実際に相談を受けた「Aさんの事例を元に失敗談を紹介致します。

北関東の物件を買ったAさんの話

半年くらい前に相談を受けたお話をします。

赤字を改善させる手段は何かないでしょうか?

Aさんは、お客様の紹介で来て頂き相談を受けました。

Aさん概要

都内在住 50代 男性

大手企業勤務

年収700万円以上、金融資産1,500万円

サラリーマン大家さんとしては、ご年収も貯金もある方だと思います。

Aさんの当初の希望は以下の通りでした。

  1. 借り換えをして金利を安くする
  2. 売却して返済を無くす
  3. 赤字続きの物件を黒字に戻す

そして物件資料と金融資産を確認させて頂きました。

結論:どうにもならない

何か秘策を知っているのではとご期待頂いたようですが、

結論はどうにもならないと言わざるを得ない状況でした。

チェックメイトでした。

理由をお話する前に、相談を受けた物件スペックについて触れておきます。

Aさん物件スペック

購入時期:2016年

所在地 :北関東の中心部から大きくはずれた物件

築年数 :約35年

構 造 :鉄筋コンクリート造

物件価格:1億円

満室想定利回り:8.50%

融資条件:スルガ銀行 金利4.5%、期間30年、フルローン

積算価格:約6,000万円

残 債 :約9,600万円

分かる人にはこのスペックだけでも

だいぶやっちゃった感が伝わると思います。

「利回りが8.5%近く回っていれば安全で、手出しをしなくても不動産オーナーになれると聞いて買った」とAさん。

しかし、個人的にはスルガ銀行を利用して買う物件としては利回りが弱いように感じます。

上記スペックを以前ご説明したキャッシュフローツリーを用いて、

空室率10%、運営費20%で計算すると税引前で赤字になることが予想できます。

※キャッシュフローツリーの読み方がわからない方は下記の記事を参照ください

«参考»

収支をサクッと!キャッシュフローツリーの話

 

 

あくまで上記は空室10%想定なので、

想定外の空室、修繕費用増加などは考慮されていなません。

それでも税引前で赤字なのです。

夢の不動産オーナーになったのに、

利益はだせず

定年後20年、約80歳まで続く借金を背負い、

年金で借金を補填しつつ、

地方のハズレエリアの物件で空室に怯えながら

手放すことも出来ない。

私だったら夜も眠れないと思います。

 

以下ではどうにもならないと言った理由を詳しくお話していきます。

①借り換え難易度が非常に高い

“借り換え”は様々な要件がありますが感覚としては、

その物件を改めて購入するようなもの

と頭に入れておいて頂くと良いと思います。

そのため、打診する金融機関が物件を再評価して、価値を出し直し、その金額が融資額となります

そうすると、借り換えがしやすい物件とそうでない物件が出てくるのは想像は難しくないと思います。

一般的に借り換えのし易い物件は以下のような条件となります。

  • 積算または利回りが高い
  • 無理の無いローンを組んでおり、再評価した金額が残債を上回るか近似している
  • エリアが居住地近隣
  • 残耐用年数が十分にあり、融資期間が伸ばせる

借り換えについて詳細は別の記事で紹介をしようと思いますが、

本件はいずれにも当てはまらないので、

借り換えをしようとする場合の難易度が非常に高い状態です。

運良く貸してくれる金融機関を見つけても…

恐らく想定される融資条件は、

金額:約6,000万円(残債が9,600万円なので、3,600万円うち入れが必要、積算評価を採用)

金利:2%台

期間:12年

→返済額は数十万下げられるかもしれませんが、そもそも3,600万円も支払いは出来ないですよね…

すべての金融機関にヒアリングを取ることは難しいので、

非常に難しいという表現をしていますが、実態は無理だと思います。

(ここらへんの融資論についても追って書いていきます)

②売却も難しい

今回の売却想定価格は6,000万円~7,000万円といったところだと予想します。

残債は9,600万円なので、2,000万円以上+諸経費分を支払わないと売れない、という計算となります。

ちなみに車などと違い、収益不動産の借金は売却時に完済しなくてはなりません

これは基本的には«抵当権»というものが設定されているためです。

«抵当権»は売却のときには抹消しなくてはならないので、残債をすべて返さなくてはいけません。

(不足分用のフリーローンなどもあるが、せいぜい年収分くらいが限度だったりします。)

車とか楽器などであれば、借金を残したまま売れるんですけどね。

不動産は売却時に一括返済をしなくては行けない。

でも手出しが出来ない、ということで売却という出口を取ることが出来なくなっています

Aさんにも原因がある?

言葉巧みに買わせてしまう不動産業者はもちろん、問題があるかもしれません。

しかしながら話しているうちに、なんでも言いなりになってしまうAさんも問題があるのではないか、

とも思ってきました。

私が感じた違和感は以下の通り。

  1. 基本的に面倒くさがり(金利交渉も自分でやりたがらない)
  2. 人任せ
  3. 法律も取引ルールも理解していない(業者売主物件なのに、手数料取られてましたwww)
  4. 不動産を買っただけで儲かると思っていた
  5. 融資の勉強はしたくない
  6. 担当者は悪い人には思えなかったとのこと(購入後不動産業者倒産しているようですwww)

こうなると、養分にされる隙が十分にあるよな、とも思ってしまいます。

知識武装は必要

不動産業界には「カモ」となる客を探して、狡猾に利益を絞り取る悪徳業者もいます。

しかしながら、業者の裏側なんて踏み入れた人にしか分かり得ません

全く初心者で、勉強の仕方もわからない、という方は買い付けを入れる前に先輩大家さんや、信頼のできる仲介業者などとのパイプを作った方がいいと思います。

今回は、一棟目に億単位の借金を背負い、

新規購入も撤退も難しくなってしまった人の話をしました。

知識がないとAさんのようになってしまうので、

注意していきたいですね。

 

 

 

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