多法人スキーム(1法人1物件スキーム)は色んな意味でヤバイ

 おは養分。
水戸大家こと億りびと大家です。
今日は最近りそな銀行の貸し剥がしで話題の多法人スキーム(1棟法人スキーム)について。
知らない方も多いと思うのでこの際学んでください。
(昨年4月に書いた記事なので結構おかしいところあるかもですがご容赦ください)

「不動産投資を始めてから3年で、10億借金してます!」などと投資家の集まりで聞くことがあります。方法を聞くと多くが法人スキームで増やされているようです。

今回はこのスキームについて話していきます。

多法人スキームとは

古くから合った手法ですが、ある不動産仲介業者のが推進しはじめたことをきっかけに(?)、爆発的に広がり、2015年~現在に至るまで多くの投資家が取り組んでいる手法です。

借金がない状態であれば、すぐに金融機関が融資をしたがる年収1,000万円~、自己資金2,000万円以上お持ちの方に広がっている印象です。

呼称は様々です。多法人スキーム、1法人1金融機関スキーム、法人スキーム…大体同じ投資法を指します。方法としては以下の図のように、1つの金融機関に対して資産管理法人をひとつ設立して、物件を購入する、という手法です。

正直私はかなり危険だと思っていて、当ブログや運営サロンで推奨していないスキームだということを前提にご理解ください。競合投資家などと情報交換したりする際の知識としては必要だと考え投稿に至りました。最悪場合によっては「期限の利益の喪失(=一括返済)」なんてこともあるようです。。

メリット①購入スピード

個人で物件を購入すると、CIC, CICC, 全銀協などと言った信用機関に信用情報が登録されます。しかし、法人の場合の多くは主たる債務者をその法人、連帯保証人は代表者を取る場合が多く、ほとんどのケースでこういった信用機関に登録されません。

そして、恐らく殆どの金融機関のマニュアルには、他の法人の借り入れを目ざとく見つけたり、調査することが無い(調査する方法は実はある)ので、法人で物件を買った後に新しい金融機関と取引を始めても「不動産の借金がほとんど無い人」という状態で持ち込むことができてしまいます。なので、実際には多額の債務を抱えているにもかかわらず、それを『聞かれなかったから言わなかった』という状態で融資を受けまくり、急速に物件取得を進められます。

この物件取得速度に魅力を感じて取り組まれている方が多いようです。

メリット②消費税還付

また、建物価格にかかる消費税部分の還付を行うことを魅力として取り組まれることも多いようです。これは金地金の売買などによって課税売上を出して…という手法になるようですが、ここで詳細は割愛します。

 

この2つを基に自己資金を分厚くしつつ、『資産形成(?)』を進められている方が多くいらっしゃいます。

参考:これに乗じて、違法行為を行う投資家も居る

2重売買契約、金融資産ふかし…これらは違法行為です。このブログの読者様はこういったことを行われていないことを願います。

 

多法人スキームの怖さ

一見、良いところばかりに思える多法人スキームですが、かなりリスキーです。以下でそのリスクについて書いていきます。

 

法人単体が回らなくなった時のリスクが大きい

仮にひとつの法人で所有している一つの法人が回らなくなったとしましょう。そうすると、他の法人で補填することも考えられますが、決算書上で整合性が取れなくなってしまいます。方法としては個人で補填するにも大幅に現金が減ったらなんで?ってなるし…しかも補填できないくらいの損失だったら…

税理士のミスによる銀行バレ

これはエビデンスを弄って融資を受けていた方から、実際に聞いた話ですが、税理士の方が❝銀行用❞の書類ではなく❝納税用❞の書類を誤って金融機関に提出してしまい、話が違うことが発覚。一括返済とはならないまでも、要注意取引先となり、せっかく実績を作っても、追加融資は融通してくれない、といったこともあるようです。

金融機関の統廃合

2018年4月現在、SMBCと、関西アーバン銀行や、横浜銀行と東日本銀行などのように、関連会社同士で多法人スキームを展開されている方もいらっしゃいます。

しかしながら目まぐるしく変わる金融機関情勢の中で、いつどこの金融機関が合併するかは分からない状況です。

よく調べれば法人の有無なんて分かる

パッと調べる方法としては、登記簿図書館というサイトがあります。

「商業登記名寄せ」→「役員に関する事項」or「その他の項目」→「代表者名入力」→検索

をするとその氏名の方が代表の法人らしき法人が出てきます。(同姓同名の可能性もありますが…)

法人スキーム包囲網

静岡銀行、千葉銀行、などエビデンスのチェック及び、他の法人の有無を確認するようになっており法人に関しては、かなり厳しくみているようです。みずほ銀行についても新規法人に対しての融資はかなりネガティブで、個人でフルローンが出るような案件でも8割まで、といった評価になることも多いです。

資産管理法人は使い方だと思うけど

昨今の金融情勢や様々な考慮すると、やはり拡大スキームは堅実にP/L, B/Sを考慮した上で、金融機関との付き合いの中で取得に動くべきだと考えます。とはいえ、ストーリーが崩れたり、懇意にしている金融機関が対応出来ないようなエリアの物件を取得する際にはあくまでもストーリー付のために、法人を分けるのも手だと思います。何にせよ包囲網が厳しすぎるので今から法人スキームを始められるのは遅すぎるんじゃないかな…と思います。