お金の時間的価値を含め判断する【NPV】【IRR】とは?

前回のおさらい

前回のブログでお金の時間的価値についてお話致しました。
それでは、そのお金の将来価値下落をどうやって加味して投資判断をすればよいのか?
一般的にこの時間的価値についての投資判断指標として使われる指標は、「NPV」「IRR」です。

今回はこの2つのお話をしていきます。

NPVについて

「NPV」とはNet Present Valueの略です。

日本語では「賞味現在価値」と呼ばれます。

簡単に言うと、将来的に得る収益を現在価値に直したらどのくらいの価値があるのか?という判断指標になります。

「期待収益率」(どのくらいもうかるのか率)に読み替えて頂くと理解しやすいかと思います。

仮に割引率を年6%として、

100円の投資が1年で106円となったとき、NPVは0円になります。
NPVが0円を超えているようであれば期待していた収益よりも収支がとれるという事ですので、投資判断としては「価値のある投資」と判断できます。

それでは、これを不動産投資に当てはめてみます。
2つの投資の判断として見てみましょう。

①700万の自己資金を使って年間400万のCFをとり2年目で売却し350万の売却益を得る投資
総収支合計450万

②700万円の自己資金を使って年間100万円のCFをとり6年目に売却し900万の売却益を得る投資
総収支合計800万

という、総収支のみでみたら断然②の方が良い投資に見えますが、時間的価値という概念を加えると下記のようになります。
①の場合、

0年目…▲700万
1年目…▲700万+(400万÷1.06)=▲322.6万
2年目…▲322.6万+{750万÷(1.06)^2}=344.89万
NPV=344.89万

②の場合、

0年目…▲700万
1年目…▲700万+(100万÷1.06)=▲605.66万
2年目…▲605.66万+{100万÷(1.06)^2}=▲516.66万
3年目…▲516.66万+{100万÷(1.06)^3}=▲515.82万
4年目…▲515.82万+{100万÷(1.06)^4}=▲436.61万
5年目…▲436.61万+{100万÷(1.06)^5}=▲361.87万
6年目…▲361.87万+{(100万+900万)÷(1.06)^6}=343.19万
NPV=343.19万

となります。
その為、①の投資の方がより有効という事になります。
単に単体での投資判断や、上記のような投資期間の違う投資同士の優劣判断にお使い頂けるのではないでしょうか。
また期待する割引率をどう設定するのか?という事が非常に重要なポイントになり、割引率が意味を持たない数値で入れてしまうと全く役に立たない指標になってしまいます。
投資の本で6%と書いてあった。有名な不動産投資が7%で見ていると言っていた。
という理由ではなく皆様それぞれの割引率を決める事が重要です。

もう一つの判断手法「IRR」とは?

投資判断の指標となる「表面利回り」や、経費等を考慮した「ネット利回り」は「単年度」の指標で、且つ売却時の損益を考慮していない事に対し、IRRは「投下資金」「投資期間中のインカムゲイン」「投資期間が終了した時の出口の金額(キャピタルゲイン・ロス)」までの貨幣の時間的価値も考慮した【投資収益率】を指します。

そして、IRRとは日本語では【内部収益率】と言われ、そしてその定義は正味現在価値(NPV)がゼロとなる【割引率】とされています。
NPV=0とは、投資額とリターン(将来キャッシュフロー)の現在価値が等しいことを意味しておりますので、IRRとは「投資額」と「リターン」の現在価値を等しくするような収益率と言えます。

例、800万円の中古区分マンションを年間賃料80万円(経費20万円)で賃貸し5年後に750万円で売却が見込める物件に投資した場合はIRRは6.4%という数値になります。

つまり、この投資における割引率を6.4%以下で考えている投資家の方であれば、
期待以上の収益が得られるので投資対象となります。

NPVとIRRの大小が同一にならない場合は

資本的制約が無い場合は、NPVの大小で判断するのが最も適切となります。

逆に制約があるときには効率を重視し、IRRを採用するのが適切です。

大切なことは

表面利回りの知識しかないと、

本に◯%あればOKとか、

セミナーで◯%あればいいと言われたと鵜呑みにしてしまうことも多いです。

これは時代や相場によっても変わるものなので、様々な知識を付けて自分の基準を設定することが重要だと思います。