「不動産投資の良いところは、融資を受けてレバレッジを効かせた投資が出来る点だ!」などと多くの書籍でも語られていますが、どんな物件にどんな融資を受ければ目標に沿った投資をすることが出来るのか、この回答が書いてあるものは多くはありません。今日はローンを自分で分析出来るようになる指標をお話します。
内容は前回までの以下投稿が前提になっていますので、まだお読みでない方はご覧ください。


ローン分析に用いる指標
以下のようなものを使います。
- FCRとK%(前回までにお話しました)
- 債務資本比率(LTV)
- 債務回収比率(DCR)
- 自己資本収益率(CCR)
細かく話していきます。
債務資本比率(LTV)
LTVはLoan to Valueの略。価値(主に売買価格)に対しての融資額だと理解いただければ問題ありません。
計算はローン額÷売買価格=LTV(%)で出ます。
例えば1億円の物件に9,000万円の融資がついたとすると、LTV90%となります。
債務回収比率(DCR)
DCRはDebt Coverage Ratioの略。ローン返済に対して収益がどの程度余裕があるか測る指標です。不動産投資では1.2%〜1.3%あれば問題がないと言えます。
計算は
NOI÷年間の返済額(ADS)=DCRとなります。
1を割り込むと収益で返済がまかなえません。
自己資本収益率(CCR)
CCRはCash On Cash Returnの略。出資金額に対するリターンを測る指標だとお考え下さい。
計算は 税引き前CF÷投下した資金=CCRで求められます。
レバレッジ判定について
その物件を融資を受けてまで買う必要がある物件かどうかを測るために、レバレッジ判定を行います。
レバレッジには正と負のレバレッジがあり、負のレバレッジの場合効率を落としてしまいます。融資条件の変更か、価格を下げる(または収益を上げる)必要があります。
レバレッジが効いている状態は以下の通りです。
FCR>K% かつ CCR>FCR
では以下の物件のレバレッジは正か負か見ていきましょう。
- 物件スペック:売買価格1億円 FCR6%
- ローン条件:LTV80%、金利2%、期間30年、年間の返済額3,548,340円
これまでお話した内容から、以下が導けます。
- NOI=6,000,000円、
- DCR=6,000,000/3,548,340=⒈69
∴DCR>1.2なので余裕があるといえる
- K%=4.43%
- CCR=(6,000,000-3,548,340)/20,000,000=12.2%
∴FCR>K% かつ CCR>FCRが成り立つので正のレバレッジとなる。
ローン判定が出来ると業者の都合の良い融資付けに対抗できるので、押さえておいても良いと思いますよ。
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