「公務員なんですが、不動産投資やって大丈夫ですかね??」
なんて質問を頂くことがあります。
不動産会社のセミナーや、書籍などでは《公務員の方は不動産投資に向いている》などと紹介されるケースもあり興味を持たれることが多いようです。
今日は不動産投資を検討する上で「公務員」であることのメリットと注意点を書いていきます。
(上場企業のサラリーマンの方にも当てはまる内容が多いので、公務員以外の方も是非とも読んでみてください。
公務員が不動産投資を行う際のメリット
主な理由は融資です。
パッケージ型の融資が受けやすい
医師などの有資格者に続き、公務員は融資を受けやすい職業だと言えます。
オリックス銀行のアパートローンや、静岡銀行のアパートローンなど、
金融機関が不動産投資用にパッケージ化しているローンは
«安定した職業についている人に、年金の足しになるような資産運用の為»に設計されたものも多く、
この『安定した職業』には公務員や上場企業のサラリーマンはドンピシャで当てはまります。
そのため多額の資産が無い公務員の方であっても、
「倒産の心配がない」
「雇い主が公であるため、給料未払い等がない」
といった安定性を担保に融資をうけて不動産オーナーになることができてしまいます。
この点は、自営業者の方などには無い、
公務員の方のメリットだと思います。
注意したいポイント
1.副業規定
そもそも国家公務員法と地方公務員法で副業禁止の規定があります。
禁止項目ポイントはこの2つです。
- 自営
- 営利企業への就職
自営の基準は以下の通りです。
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。《中略》
(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合
『人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について』http://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/14_fukumu/1403000_S31shokushoku599.htmから抜粋
規模が以上になると以下のことを示した上で管理者の許可が必要になります。
一 不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
(1) 職員の官職と承認に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
(2) 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
(3) その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。『人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について』http://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/14_fukumu/1403000_S31shokushoku599.htmから抜粋
(※必要に応じてご自身でご確認ください)
要は、
- 4棟9室以下にする
- 家賃収入は年額500万円未満
になれば許可が不要でできることとなります。
それ以上の規模を拡大していくには、
管理者への許可を取るか、
配偶者に資産管理法人を作ってもらい、その法人で不動産を取得していくなどの措置が必要となります。
2.クソ物件を掴まされるリスクが高い
クソ物件を掴まされてしまうリスクは、比較的高いと思います。
これには理由があります。
先程申し上げた通り、公務員の方はパッケージ型のローンを利用しやすいというメリットがあります。
それは《職業の担保力》が評価されているためです。
そのため《物件の担保力》が少ない物件に対しても評価額以上のフルローンやオーバーローンが引けてしまいます。
噛み砕いて言うと
クソ物件なのにフルローンやオーバーローンでほとんど自己資金を使わずに、不動産オーナーになれてしまう可能性があるわけです。
本来であれば収益や出口を考慮しながら不動産投資を行わなくてはいけないのに、
「銀行がフルローンやオーバーローンを出してくれるってことはお墨付きを頂いた物件だ!」
と勘違いして不動産を取得した結果、
再起不能になる、なんてことはよくある話です。
まとめ
今回は公務員の不動産投資のメリットと注意点をお話しました。
属性的に近いので、公務員の方だけでなく、上場企業のサラリーマンの方にもご注意頂きたい内容です。
一般的に、
サラリーマン・公務員=不動産投資に向いてる
自営業者=向いていない
というのは業者側の都合の良い宣伝文句(ハメやすさ)なので注意したいところですね。
(自営業者は経営感覚あるし、アパートローン以外の融資の選択肢もたくさんあるので、
自営業者の方向けの記事も次回以降書いていきたいと思います。)
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