不動産投資で重要な融資について、
前回と前々回の記事で書いていきました。
《過去記事》
金融機関の種類について~その①~(都銀、地銀、信金)
金融機関の種類について~その②~(信組、ノンバンク、政府系)
書いていて思ったのですが、そもそもローンについて基礎的なことを話していなかったので、
今回は基本的な“固定金利と変動金利の仕組み”と、
支払い方法の“元利均等払いと元金均等払い”についてお話します。
固定金利と変動金利について
固定金利と変動金利。
読んで字のごとく金利が固定されているものと、
その時の金利で変動するものとなります。
変動金利といっても、毎月金利を見直すわけではなく、年に2回程金利を見直す場合が多いようです。
固定金利
メリット
固定金利は、3年や5年と期間を決めた場合、その期間が終わるまで金利が固定となる方式です。
最大のメリットは、「金利が上昇した場合にも固定期間中は影響を受けない」という事になります。
また、融資の金額が大きいと金利も大きくかかわってきます。
その為金利が変わらない事で、返済の計画が立てやすくなります。
デメリット
変動金利よりも金利が高く設定されている事(が多いこと。稀に固定金利よりも安い金融機関もあります)
そして、途中解約をしたい場合には違約金が発生します。
変動金利
メリット
変動金利は、毎月ではないものの、マーケットの金利変動によって金利が変更される方式です。
メリットは金利が下がった場合には、借り入れの金利も見直されることでしょうか。(2018年7月現在、上げトレンドだと思いますが)
そして、固定金利よりも元々の金利設定が低くなっている(場合が多い)ので、
融資額が大きい不動産投資をする上で利払いが少なく出来ることですね。
デメリット
金利が上昇した場合に固定金利よりも返済額が多くなってしまうことにあります。
しかし、金利が急上昇した場合も、
返済額が急増してしまうわけではありません。
金融業界標準で「5年ルール」「125%ルール」というものが設けられており、
返済額は5年間毎、支払額の上昇も+25%まで(元利均等支払の場合)というルールがあります。
それに基づいて上昇されるので、青天井で突然高くなるわけではありません。
とはいえ、急激に金利が上がり、上記ルールが適用された場合には元本の減りが遅くなるため、
最終返済が後ろ倒しになるというリスクをはらんでいます。
元金均等と、元利均等払いの違い
次に、元金均等(がんきん きんとう)払いと、元利均等(がんり きんとう)払いについて。
元”金”均等の考え方
元金均等方式とは、融資を受けた金額(元金)を支払い回数で割った金額、そしてそこに残金の利息を加えた金額を返済していくという方式になります。
(当然のことながら、最初のうちの利息は大きいです。)
そのために、返済当初月々の支払いは大きくなりますが、元金の減る速度も早いので、最終的に返済する金額は、元利均等方式よりも少なくて済みます。
計算方式 (融資を受けた金額を、返済回数で割った金額)+ 残金の利息
となります。
元”利”均等の考え方
元利均等方式とは、(元金+利息)が均等。つまり、毎月の返済額を一定にするという方式です。
毎月の返済額が一定なので、返済計画は立てやすい一方で、最初の内は利息を支払う割合が多くなります。
そのために、最終的な支払額は、元金均等方式よりも多くなってしまいます。
それぞれの比較
例として、1000万円の融資をうけた場合でシミュレーションしてみます。
借入金額・・・1000万円
利率・・・・・3%
借入期間・・・10年(120回払い)
|
毎月の返済額 |
利息合計 |
元利均等払い |
96,560円(調整回は96,596円) |
1,587,236円 |
元金均等払い |
108,333円~83,581円 |
1,512,460円 |
これを見ると、最初の頃は元金均等払いの返済額が1万以上多くなりますが、※端数を切り捨てての計算だったり、利率が途中で変わる可能性などは考えていないため、参考程度となります。
返済が終盤に近付いてくると返済額が変わり、最終的には元金均等払いの返済額が1万以上少なくなることが分かります。
そして、利息合計は、元金均等払いのほうが総額が7万5千円程少なくて済むことも分かると思います。
もちろん借入金額が大きくなればなるほど、この差は広がってきます。
家賃下落が起こりそうな物件や、
子供の入学金など先々お金がかかるイベントなどが控えている方、
少しでも返済を軽くしたいという方は元金均等払いの方が良いかもしれませんね。
まとめ
今日は、“固定金利と変動金利の違い”、“元利均等払いと元金均等払い”についてお話致しました。
不動産投資では、多額の融資を受けることが多いので数%の金利や返済の方法が変わるだけで、結果が変わる場合がありますので、ご理解頂くことをおすすめします。
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