不動産投資と一言に言ってもその種類は実に様々です。
初心者の方に多いのが
「どの手法が向いているのか分からない」
という質問です。
そういった方々は、実際にどんな手法があるか、どんな物件の種類があるのか知らない場合も多いと感じています。
どんなものが向いていそうか理解するには、
まずはどのような投資手法があるのか全体像を把握して、自分に合ったものを見つけることが重要です。
不動産投資の種類は
- 現物かそうじゃないか
- 不動産の用途
- 物件自体の形態
などで分類することが出来ます。
どの手法を選ぶかによって必要となる資金や戦略が違ってきます。
今回は、不動産投資の種類に注目した、記事を書いていきます。
以下の内容が不動産投資の全てではありませんが、
全容を紐解くひとつの参考になれば嬉しいです。
目次でサクッと理解する
1.不動産投資手法の種類
現物不動産投資
現物不動産投資とは、実際にマンションやアパートや戸建て住宅を購入して、個人や企業に貸し出して賃貸収入を得る投資のことです。
不動産を売却して利益を確保する場合もあります。
簡単に言うと、大家さんになるということです。
購入物件の選定や評価、会計の知識から法律の知識まで求められるため高いスキルが必要なので、当然購入までには手間もかかります。
(大変だけど、ここが結構ポイント。面倒だからと言って業者の言うことを盲信してしまうと失敗するのは今までの投稿の通り)
事業性が高い投資であるため、介入できる要素が多く、上手く立ち回ればリスクを減らして安定して稼ぐことができます。
メリット
現物不動産投資は、実力次第では安定した収益源となることを狙えます。
ここで言う実力とは、
- 物件の選球眼
- 不動産業者とのつながり
- 属性と判断のはやさ
などでしょう。
また、他の投資商品と違って銀行からお金を借りて投資することができるのも特徴です。
他にも節税用対策として利用する場合もあります。
デメリット
収益を生む不動産は基本的に多額の資金を投じる必要があります。
場合によっては年収以上の借金を背負うこともあるので、許容できない方もいるでしょう。
当然、借り入れをすれば金利上昇のリスクがありますし、
空室や家賃未払い、家賃下落、災害といった要因によりキャッシュフローが回らなくなる可能性もあります。
また、管理会社を介せず、自身で管理を行う場合には運営の手間もかかります。
REIT
REITとは、「Real Estate Invesment Trust」の頭文字をとった略称で、不動産投資信託のことです。
投資家から投資法人がお金を集めて複数の不動産に投資運用して、賃貸収入や売却収入で得られた利益を、投資家に分配する仕組みとなっています。
もともとアメリカで発祥した制度で、海外で多く上場しており、日本で上場しているREITはJ-REITと呼ばれます。
メリット
REITは現物不動産よりもはるかに小額から投資できて、分配率も高いのが特徴です。
投資のプロが運用するため、維持管理の手間がかからず、また複数の不動産に分散投資するという特性からリスクも少ないです。
デメリット
REITを運用している投資法人が上場廃止になり証券市場で売買できなくなったりする場合もあります。
また、投資法人が倒産してしまうと全く価値がなくなってしまうというリスクがあります。
また、通常の投資信託と同じく価格や分配金が変動して損失が発生する場合もあります。
不動産私募ファンド
不動産私募ファンドは、投資法人が投資家から資金を集めて運用して、その利益を分配するというREITに似た仕組みです。
REITが不特定多数の投資家を対象とした公募であるのに対し、特定の狭い範囲の投資家を対象としている点に特徴があります。
その性質から一般投資家には投資機会自体がありませんでしたが、クラウドファンディングの登場により一般投資家の資金を大口化することにより、一般投資家も投資機会を得ることができるようになりました。
この仕組みのことをソーシャルレンディングといいます。
メリット
不動産私募ファンドは一般的にREITよりも利回りが高く、安全性も高い傾向にあります。
また、一般市場に流通していないため日々の価格変動リスクもありません。REITと同じく、運用はプロの投資家が行うため管理の手間がかからず、不動産投資の知識が無くても構いません。
デメリット
不動産私募ファンドは投資期間が定められており、途中解約ができない等の制約があります。
運用の結果次第では予想利回りを下回る可能性もありますし、投資法人の倒産によるリスクはREITと同様に存在します。
また、ソーシャルレンディングにより一般投資家にもチャンスは巡ってきましたが、歴史が浅いためエビデンスも少なく、想定外のリスクが発生する可能性もあります。
2.物件の用途別の不動産投資の種類
ここまでは投資の手法についてご説明しました。
物件の使いみちによっても分けることができます。
不動産投資に登場するのは主に、
- 住居用
- オフィス用
- 店舗用
- 宿泊施設
- 倉庫
- コンテナ
- 駐車場
などがありますが、
一般的に不動産投資初心者の方がはじめるには、
住居用の物件への現物不動産投資が中心となります。
これには理由があって、
オフィス用や店舗用の物件は、一般の投資家が現物で購入するには、
家賃の上昇幅、下落幅の見通しが難しく、
金融機関も素人がこういった物件に投資をするのに難色を示す場合がほとんどなので、金融機関との付き合いが深くなった段階でチャレンジをする方が多いです。
また、1棟ビル等は価格が非常に高額となるため、
先ほどご紹介したREITや不動産私募ファンドといった間接的な手法で投資することが中心となるでしょう。
初心者の方がとにかくまず大家さんになりたい、
ということであれば住居用の物件に対する知識から習得していくと良いと思います。
3.物件の形態による不動産投資の種類
区分マンション物件投資
マンション一棟丸ごとではなく、
その中のひと部屋単位で購入する投資のことを指します。
部屋のタイプにはワンルームからファミリー向けまで様々な規模や種類があります。
購入する部屋のタイプによって入居者の層が異なることや、
エリアによっては、競合過多で戦えなかったり、そもそも入居需要が無かったりと負け確定な状況になってしまうこともあるので、きちんとニーズをリサーチする必要があります。
メリット
物件価格が安く済むため、初心者でも参入しやすいのが区分マンション投資のメリットです。
複数の部屋を所持すれば分散投資にもなり、
リスクヘッジをすることもできます。
また、物件の流動性が高くいざとなれば売却して利益を得たり、損切をすることも比較的容易だと言えるでしょう。
デメリット
一般的には資産価値が小さく見られがちです。
これは、1棟物件と比較すると土地の持分が少なかったりするためです。
資産価値が低下するとダメージが大きいです。
また、特に築古物件で、総戸数が少ないような物件ですと、
運営費(管理費・修繕積立金)が家賃に対して割合が大きくなり、思ったような収益が取れなくなることもあります。
金額面では気軽に始められそうな反面、
収益性や長期的戦略では一棟物件投資に劣りがちであることは、
頭に入れておいたほうがいいでしょう。
一棟物件投資
アパートやマンションを一棟丸ごと購入して運用して賃貸収入を得る投資です。
もちろん新築も中古も取り扱うこともあります。
投資規模が大きくなるので多額の資金が必要となりますが、
買い方によっては支払った借金がそのまま資産と金融機関に見て頂ける場合もあるので、
長期戦略には適していると言えるでしょう。
メリット
一棟物件投資は複数の部屋を運用するため、
賃貸収入がゼロになるリスクは少ないです。
物件に土地を伴う所有となるため、建物が老朽化しても土地の価値は残ります。
これは資産として金融機関にPR出来るので、残債が減れば減るほど、
次の物件購入の際にプラスになります。
デメリット
投資物件のスケールが大きくなるほど多額の資金が必要となるため参入障壁が高いうえに、運用に失敗したときのリスクも高いです。
流動性は区分マンションよりも低く、
高額であればあるほど、
地方であればあるほど、
古ければ古いほど、
出口が取りづらくなります。
また、管理会社を入れない場合には、
区分投資よりも維持管理の手間がかかります。
戸建て物件投資
1世帯が入居できるような一般住宅(土地付き建物)を貸出して家賃を得る投資法です。
メリット
戸建て物件投資は、マンションやアパートが立てられないような土地でも活用することができます。
また、供給量が少ないため、競争相手も集合住宅より少ないです。
そのため、家賃の価格競争に巻き込まれにくいです。
家族で入居することなども多いので、
一度入居者が決まると、単身者向け物件と比較すると、長期間入居してくれるため安定しやすい傾向にあります。
また、1棟物件と同様に価値の高い物件を購入することで資産として、
金融期間にPRすることが出来るようになる可能性があります。
共用部の光熱費関連は入居者負担であることが多く、
水回りも1つしかないので、1棟アパートやマンションと比較すると修繕費用は低く抑えられることも多いです。
デメリット
戸建て住宅は購入したい!という人が多いため、
エリアによっては賃貸希望者が少ないこともあり、
空室が長期化するリスクがあります。
まとめ
今回は、全体像をイメージできるよう、種類とそのメリット・デメリットを書いていきました。
全体像を知ると自分の経済状況や知識レベルに合った手法を選択することができ、いま何を勉強すれば良いのか分かると思います。
他記事と併せて参考になれば嬉しいです。
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